ONLINE ARCHIVE第 一 書 庫
地球の縁に沿って緑と赤のオーロラが光る、2026年1月の国際宇宙ステーションからの実写真
地球の縁に光る赤と緑。下に見えるのはヨーロッパの街の明かりです。
記録番号EAR–ATM–001
不思議な場所・現象FILE 048

オーロラAurora

夜空のオーロラは、
何が光っている?

星でも街の明かりでもない、緑や赤の光が空に広がります。「オーロラ」と呼ばれる光のカーテンです。電灯もない高い空で、何が光っているのでしょうか。写真の色をたどると、地球の外から届くエネルギーと、私たちを包む空気のつながりが見えてきます。

▰ カテゴリ不思議な場所・現象◎ 地域地球の上空・主に北極と南極の周辺◆ キーワードオーロラ / 太陽風 / 空気の発光 / 低緯度オーロラ▥ こわさこわさは低め

01|光っているのは空気

このカーテンは、
空気が放つ光です。

雪の地面に立つ人が、星空に広がる緑のオーロラを見上げている実写真
地上から見上げたオーロラ。写真は実際の光を記録していますが、目で見たときと同じ鮮やかさとは限りません。

光の帯がのびたり、波のように揺れたりするオーロラ。雲に色をつけたようにも見えますが、光っているのは地球の高い空にある空気です。

空気には、私たちが呼吸に使う酸素や、もっと多く含まれる窒素ちっそがあります。そのとても小さな粒がエネルギーを受け取ると、光を放つのです。地上からよく見る雲より、ずっと高いところで起こります。

カメラは、目では色が分かりにくい弱い光も写せることがあります。写真の鮮やかさを、そのまま肉眼での見え方とは考えないでください。

ふだんは透明な空気が、なぜ光を放つのでしょうか。そのきっかけを、宇宙までたどってみます。

02|宇宙からのエネルギー

太陽の働きが、
地球の空へつながります。

電子を金色の点で表し、地球の高い空へ降りる様子を再現した生成画像01
宇宙から、大気へ地球のまわりの電子が
上空へ降りてきます。
小さな電子が空気の原子にエネルギーを渡す様子を想像して描いた生成画像02
空気の粒にぶつかる目に見えない小さな粒に
エネルギーを渡します。
空気の原子が緑の光を放つ様子を想像して描いた生成画像03
光になって出ていく受け取ったエネルギーを
光として放ちます。
AI生成による説明用の再現です。電子や原子は、実際にこのような球として見えるわけではありません。粒の形・大きさ・動きはイメージで、実際の縮尺ではありません。

太陽からは、電気を帯びた小さな粒の流れが、いつも吹き出しています。「太陽風」といいます。地上の風とは違い、宇宙を流れる粒です。

地球のまわりには、磁石の力が働く磁場じばがあります。太陽風とこの磁場が関わり合うと、地球のまわりにある「電子」という小さな粒がエネルギーを得て、大気へ降りてきます。夜に明るく見えるオーロラでは、太陽からの粒がそのまま空へ飛び込むだけ、という話ではありません。

電子が空気の粒にぶつかり、エネルギーを渡す。そのエネルギーが光として出ると、オーロラになります。多く見られるのは、磁場の北と南の極を囲む帯状の地域です。

光の正体は分かりました。では、同じ空気から赤や緑が生まれるのは、なぜでしょうか。

03|色が教える高さ

赤も緑も、
酸素から生まれます。

上方の赤、下方の緑、下の縁の紫がなめらかに重なるオーロラのカーテンを再現した生成画像
より高い、
空気の薄いところ
赤い光
酸素
赤より低い
ところに多い
緑の光
酸素
カーテンの
下の縁など
紫・ピンク
窒素
地表
AI生成による、代表的な色と高さの再現です。発光域には幅があり、色がきっぱり分かれるわけではありません。特定の日の実写真や、正確な縮尺の図ではありません。

光の色は、どんな空気の粒が、どんな状態で光ったかによって変わります。酸素は緑や赤、窒素は青や紫、ピンクの光に関わります。

同じ酸素なのに赤と緑があるのは、高さによって空気の薄さなどが違うためです。赤い光を出すまでには時間がかかり、ほかの粒にぶつかると、その前にエネルギーを失うことがあります。空気が薄い高いところなら、赤い光を放ちやすいのです。

図は代表的な並びを示しています。実際には発光する高さに幅があり、光が重なることもあります。それでも色を調べると、どの高さで何が起きたかを探る手がかりになります。

高い赤、低い緑。この違いは、遠く離れた日本からオーロラを見るときにも関係します。

04|日本から見える理由

赤い空は、
遠くの光かもしれません。

遠くからは、上の光だけ見えることも。地球の丸みに注目してください。
丸みのある地球の遠くに、上方の赤と下方の緑のオーロラが光る様子を再現した生成画像
日本側の観測者北の空を見ています。高い赤は、見通せる低い緑は、地球の陰へ
AI生成の地球・発光の再現に、見通しを示す線を重ねています。地図ではなく、曲面・距離・高さは説明のために誇張しています。すべての日本の観測がこの配置になるわけではありません。

オーロラは北極や南極の周辺でよく見られますが、地球の磁場が大きく乱れると、光る帯がふだんより広がり、日本から見えることもあります。

ただし、日本の真上で光っているとは限りません。北の遠い空で発光していても、高い赤い部分は見通せる場合があります。低い緑の部分は地球の丸みに隠れるため、赤だけが目立つのです。

2024年5月11日、日本の空

赤紫の写真が、新しい手がかりに。

この日に各地で撮られた写真を研究者が分析しました。写った光の角度から、発光する高さを推定したのです。赤紫に見えた理由には、高い空で太陽光による青い光が加わったことがあると説明されました。

いつもの「電子が空気にぶつかる光」だけでは、すべての色を説明できない場合もあります。一枚ずつの写真を比べることで、その日の空で起きたことに近づけます。

日本各地の実写真と研究結果を見る ↗

05|分かったことの先へ

光る理由を知っても、
調査は終わりません。

アラスカのオーロラの下から打ち上がる観測ロケットの、2014年の実写真
2014年3月3日、アラスカで打ち上げられたGREECE観測ロケット。オーロラの渦巻く形がどう生まれるかを調べる観測でした。斜めの白い筋はロケットの光です。

オーロラが光る基本の仕組みと、色が高さや空気の種類に関わることは分かっています。けれど、細かな形やすばやい動きのすべてを説明し終えたわけではありません。

2026年の国立極地研究所の解説でも、細かな動きをするオーロラや、光る中に暗い部分ができる理由など、研究中の課題が紹介されています。研究者は複数の場所のカメラで同じ空を撮り、立体的な形や、降ってくる電子のエネルギーを調べています。

多地点の観測と、残る謎を読む ↗

最初は、ただ不思議な色のカーテンでした。光っているのが空気だと知ると、次は色、高さ、動きが気になります。きれいな空を見上げることが、見えない宇宙を知る入口にもなるのです。

REFERENCE DESK

参考資料・関連リンク

基本の発光、日本からの見え方、特定の日の研究結果、まだ調べている細部を分けて確認しました。資料の最終確認日は2026年10月10日です。

画像クレジット

実写真:Hero・書架カードはNASA/Chris Williams(2026年1月19日)、地上のカーテンはNASA/Rachel Lense、観測ロケットはNASA/Christopher Perry(2014年3月3日)。

宇宙からの写真の掲載元 ↗ / 地上・ロケット写真の掲載元 ↗ / NASA画像の利用方針 ↗

NASAの利用方針に沿った情報提供のための掲載です。NASAによる本記事やサービスの推薦を示すものではありません。掲載元の写真を縮小・WebP圧縮し、光や色を描き足していません。撮影・画像処理による写真の見え方は肉眼とは異なることがあります。

本文の3か所は、資料をもとにしたAI生成の説明用再現です。電子・原子の姿は想像表現、色と高さ・地球の曲面は模式表現で、実写真や実測図ではありません。文字と見通しの線は別に重ねています。