ONLINE ARCHIVE第 一 書 庫
スイスの麦畑に、円や曲線を組み合わせた大きな模様がある2007年の実写真
2007年、スイスで撮影された実際の模様。写真から作者まで分かるわけではありません。
記録番号GBR–ART–001
不思議な場所・現象FILE 049

ミステリーサークルCrop circles

麦畑の大きな模様は、
だれが描いた?

麦畑を上から見ると、大きな円や複雑な模様が浮かんでいます。これが「ミステリーサークル」。空からしか全体を見渡せないほどの絵を、だれが、どうやって描いたのでしょう。写真から、作った人の記録へ。地上に残る手がかりを追います。

▰ カテゴリ不思議な場所・現象◎ 地域イギリスを中心に、各地で報告◆ キーワードミステリーサークル / 麦畑の模様 / 制作の記録▥ こわさこわさは低め

01|畑を近くで見ると

線の正体は、
倒れた麦。

立っている麦と、茎が横に倒れた麦の境目を近くから見た説明用の生成画像
※AI生成によるイメージ。立つ麦と倒れた麦の違いを描いた説明用の再現です。

模様は、地面にペンで線を引いたものではありません。立っている麦の一部を倒すと、光の当たり方や見える面が変わり、上からは違う色の部分として見えます。

ミステリーサークルは、イギリスの畑で広く話題になりました。宇宙人が残した跡だという話も広まりましたが、まず確かめたいのは、身近な道具でこんな模様を作れるかどうかです。

02|空から見なくても

大きな円は、
地上でも測れる。

中心から、同じ距離向きを変えても、長さは同じ。
測った円を、組み合わせる位置を決めれば、大きな模様に。
円の関係を示した説明図です。特定のミステリーサークルの設計図ではありません。

円のふちにある点は、どれも中心から同じ距離にあります。中心と長さを決めれば、全体を空から見なくても円の位置を測れます。小さなコンパスで紙に円を描くのと、考え方は同じです。

円をいくつも組み合わせれば、見た目は複雑になります。ただし、図で方法が分かることと、実際に畑で作れたことは別。次は、作業を見せた人の記録です。

03|1991年の転換

「私たちが作った」。
言葉だけでなく、実演も。

無名の大人が、縄のついた板を足で押し、麦を倒す動作を説明した生成画像
板で麦を倒す動作の再現。AI生成によるイメージで、当時の二人を撮影した写真ではありません。

1991年9月、イギリスのダグ・バウアーとデイブ・チョーリーが、以前から模様を作っていたと公表しました。当時の報道には、二人が板と縄なわを使い、記者たちの前で模様を作ったことが記されています。

板で麦を押し倒し、縄で位置を測る。特別な宇宙の機械がなくても、人の手で作れることを実際に見せたのです。これは大きな手がかりでした。ただし、世界中の模様をすべて二人が作ったと確認されたわけではありません。

04|単純な円の、その先へ

複雑さの向こうに、
設計とチームがある。

夕暮れの麦畑で、大人のチームが縄で位置を測り、円を組み合わせた模様を作る説明用の生成画像
チームによる計測と制作を想像した再現。AI生成によるイメージで、特定の作品の記録ではありません。

その後も、作り手は現れています。制作集団「Circlemakers」は、番組やイベントのために作った作品を公開しています。2009年には、数学者が描いた設計図を、夜の畑で模様にする番組向けの制作について説明しました。

一人で全体を見渡せなくても、位置を測り、役割を分けて進められます。「大きすぎる」「複雑すぎる」という印象だけで、人には作れないと決めることはできません。

畑は食べ物を育てる場所です。模様を見るためでも、持ち主の許可なく入ったり、作物を倒したりしてよいわけではありません。

05|分かったことと、空白

残るのは、
一つひとつの作者の問い。

写真に残る模様形と場所は分かる。
だれが作ったか写真だけでは決まらない。
制作の記録を、模様と結びつける設計図・作業の映像・説明がそろえば、
その模様の作り手を確かめやすくなる。
「人が作れる」と「この模様の作者が分かる」は、別の問いです。

人が作れることは、実演や制作の記録で確認されています。一方、名前を出さない作り手もいるため、個々の模様をだれが作ったか、写真だけでは分からないことがあります。記事の最初に見たスイスの写真にも、模様の作者は記されていません。

2026年の写真一覧にも、新しい模様が報告されています。でも、新しい写真があることと、人以外が作ったと分かることは別です。作者の名前が空白だからといって、そこに宇宙人という答えを書き込むことはできません。

もう一度、最初の模様を思い浮かべてください。次に知りたいのは「不思議に見えるか」だけではなく、「この模様には、どんな制作の記録が残っているか」です。

REFERENCE DESK

参考資料・関連リンク

画像クレジット

入口とホームカード:Jabberocky「CropCircleW.jpg」。2007年7月29日、スイスのローザンヌ近郊で撮影。撮影者がPublic Domainとして公開。撮影者は模様の作者を意味しません。

麦の近景・板を使う動作・チームの制作場面:AI生成による説明用のイメージ。特定の人物・日時・作品を記録した実写真ではありません。

円の関係と証拠のつながり:本文資料をもとに作成した説明図。特定の作品の設計図ではありません。資料確認:2026年10月11日。