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乾いた草原に多数の丸い裸地が並ぶナミブ砂漠を描いたAI概念イメージ※AI生成によるイメージ
記録番号NAM–PHN–001
DRYLAND ECOLOGYFILE 017

ナミブ砂漠のフェアリーサークルNAMIBIAN FAIRY CIRCLES

草原の丸い空白は、
どうして並ぶ?

草を刈った人はいません。それなのに乾いた草原には、丸い裸地が何千も、互いに距離を取るように並びます。円をつくるのは草でしょうか、地下のシロアリでしょうか。

OBSERVATION 01 · THE PATTERN

一つの円ではない。
草原そのものが水玉模様になる。

アフリカ南西部、ナミブ砂漠の東のへり。雨がとても少ない砂地に、短い草がまばらに生えています。そこへ空から近づくと、直径およそ2〜12メートルの丸い裸地が、何度も何度も現れます。

それぞれの円には草がほとんどなく、ふちだけ背の高い草に囲まれることがあります。円はぴったり同じ大きさでも、定規で描いた正六角形でもありません。それでも、でたらめに落とした点より均等に離れて見えます。

見えている事実丸い裸地くり返す間隔外側の高い草

この「形」と「間隔」を同時に説明できなければ、原因にたどり着いたとは言えません。

EVIDENCE 02 · TIME

同じ場所を、
4年後にもう一度見る。

円は、昔から地面に残る穴なのでしょうか。研究者ウォルター・チンケルは、同じ地域を写した2004年と2008年の衛星画像を重ね、さらに地上で確かめました。

2004草の場所|||||||
2008新しい裸地
その後草が戻る円も
円は「誕生 → 長く残る → 再び草に覆われる」という変化をします。すべての円を直接40年間見続けた図ではありません。

生まれた円、変わらない円、消えかけた円の割合から、平均寿命は約41年と推定されました。別の確かめ方では約60年。つまり「一つの円は必ず41年」という意味ではありません。限られた年の変化から計算した、幅のある推定です。

CC BYの原論文と衛星画像を確認する

EVIDENCE 03 · AFTER RAIN

原因を探すなら、
草が死んだあとでは遅い。

乾いた季節の円を掘っても、草はもうなくなっています。そこで別の研究チームは2020年から2022年、雨が降った場所を追いかけました。種が芽を出した直後なら、何が起きたかを根に残る傷から調べられます。

RAIN雨が降る

円の中にも外にも、短い草が芽を出す。

DAYS数日後

円の内側の草が弱り、黄色くなる。

ROOTS根を掘る

調べた地点では、食べられて短くなった明確な跡が見つからない。

これは大事な反証です。ただし、「このとき根を食べた証拠がない」と「シロアリは円に何も関係しない」は同じではありません。研究は、草が最初に枯れる原因と、できた円が長く保たれる原因を分けて考える必要があります。

HYPOTHESIS A · PLANTS & WATER

草が水を引くと、
空白が空白を保つ。

雨は地面へ均等に落ちても、草の根は水を吸います。円の外側に育った草が周りの水を引くと、裸地の浅い土は速く乾きます。小さな芽は深い場所の水まで根を伸ばせず、枯れます。

生きた草
水を引く ←
丸い裸地浅い土が乾く発芽 → 水不足
生きた草
→ 水を引く
Plant–water self-organizationの考え方。だれかが円を設計しなくても、同じ水の取り合いが隣の草との距離をつくり、模様が生まれます。

「自己組織化」は、草に考える力があるという意味ではありません。一つ一つが同じ簡単な反応をすると、集まり全体に大きな模様が現れることです。土壌水分計と数理モデルはこの説明を支えますが、モデルだけでシロアリの役割がゼロだとは証明できません。

雨後の草と土壌水分の研究を確認する

HYPOTHESIS B · SAND TERMITES

地下には、
水を守る住人がいる。

ナミブの多くの円では、砂の中にすなシロアリが見つかります。昆虫学者ノルベルト・ユルゲンスは、シロアリが草を取り除くことで、植物に吸われない水を裸地の下へ残すと考えました。その水は地下の集団と、円のふちの多年草を支えます。

ふちの高い草丸い裸地ふちの高い草
雨水が砂へしみこむ砂シロアリの通り道・巣存在は確認される/円を始めたかは論争中

ここで注意したいのは、そこにいることと、最初の原因であることの違いです。シロアリ側の研究は分布と水分の結びつきを示します。植物側の研究は、雨直後に草が食べられず乾いたことを示します。二つは、円の別の時期を見ている可能性もあります。

砂シロアリ仮説の原研究を確認する

CURRENT STATUS

円の動きは見えた。
原因は、一人の犯人ではない。

FACT

確かめられたこと

円形裸地は多数並び、生まれ、長く残り、再び草に覆われます。雨後の草、水分、シロアリは現地で測られています。

SUPPORTED

植物と水の説明

周囲の草が水を引くfeedbackは、円内の乾燥と規則的な間隔を作れると、測定とモデルが支えます。

SUPPORTED / DISPUTED

シロアリの説明

砂シロアリは多くの円と結びつき、水を保つ生態系を作れます。円を最初に作る因果の強さには反論があります。

UNKNOWN

まだ分からないこと

誕生・間隔・維持・消失の各段階で、植物とシロアリがどれだけ働くか。地域や雨量で組合せが変わるかは未確定です。

RECORD ANSWER

草原の丸い空白は、どうして並ぶ?

円を並べる設計者はいない。
水をめぐる関係が、地面に模様を残す。

乾いた土地で草が水を引き合えば、育つ場所と乾く場所が分かれ、空白同士にも距離ができます。地下のシロアリは草を動かし、水を守り、その模様を長く保つかもしれません。けれど、円が生まれる瞬間から消えるまでを、一つの原因だけに任せられるかはまだ分かりません。空から見えた水玉模様は、草と虫のどちらかの署名ではなく、雨の少ない土地で続く関係の地図でした。

REFERENCE DESK

参考資料・関連リンク

円の時間変化、雨後の根と水分、砂シロアリ、地域差を別のEvidenceとして確認しました。研究者間の反論も、勝敗を決めず原資料へ案内します。

画像クレジット

Hero:OpenAIの画像生成機能による概念イメージ。実写・特定の観測地点ではありません。

円の一生・土壌水分・地下断面:査読研究の観察分類と仮説をもとにMYSTRAILが独自制作。